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心不全

心不全とは?

心臓は24時間365日絶えず全身に血液を送り出すポンプのはたらきをしています。それにより、全身の臓器に酸素と栄養が行きわたり、私たちは生命を維持することができます。心不全とは、そのポンプのどこかに不具合を起こして全身の臓器への血流が滞り、臓器の障害を起こしている状態のことを言います。

よく勘違いがおこるのは、心不全というのは病気の状態であって、病気の名前ではありません。心不全を起こす原因となる病気が必ずおおもとに隠れています。

心不全の症状

ポンプに不具合が起こると、血液をうまく送りだせなくなるため、必要な酸素や栄養をおくることができず、息切れや少しの労作で疲れやすくなります。また、血液がすみずみまでいきわたらないため、手足が冷たくなります。それから、送り出せない血液は、尿としても排泄できないため、体の中にたまっていきます。手足の静脈にたまるとむくみが起きますし、肺にたまると呼吸が苦しくなります

心不全の原因

下図のような病気が心不全の原因としては代表的なものです。
他にも慢性の肺疾患や貧血、先天性心疾患などが原因となることがあります。

心不全の治療

心不全の治療はまず、おおもとの病気の治療が優先されます。
例えば、心筋梗塞が原因の心不全であればカテーテル治療やバイパス術、脈が遅くなる不整脈の場合はペースメーカーを植え込むといったことです。
しかし、一度心不全を起こした心臓は、ほとんどの場合おおもとの病気を治療しても元通りになることは少なく、それ以上進行するのを抑えるための治療が必要になります。

1.生活習慣の改善・食事療法

  • 1日6g以下の塩分制限
    塩分を制限するとからだに水がたまりにくくなります。
  • 水分制限
    状態によって必要なかったり、量が違うためご相談ください。
  • 禁煙
    喫煙を続けていると息切れの症状が悪化します。
  • 節酒または禁酒
    余分な水分にもなってしまうため、量はご相談ください。
  • 状態にあった適切な運動をする
    ​筋肉をつけると心臓へ戻る血液が増加します。足の筋肉は第2の心臓と言われています。
  • 風邪をひかないよう、うがい・手洗い・外出時はマスクを着用
    ちょっとした風邪から心不全が悪くなることがあります。
  • 便通をよくしておく
    排便時のいきみで心不全が悪くなることがあります。
  • 熱い風呂や長風呂は控える
    心臓に負担がかかり心不全が悪くなることがあります。

2.薬物療法

    • ACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)
      ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
      ​血管をひろげて血圧を下げたり、心臓を保護する作用があります。
    • β遮断薬
      ​心臓を休ませて心臓の負担を軽くさせ、結果的に長持ちさせます。
    • 抗アルドステロン薬
      ​利尿作用と心臓の機能が悪い人への投与で心臓を長持ちさせる効果があります。
    • SGLT2阻害薬
      もともとは糖尿病の治療薬でしたが、糖尿病の有無にかかわらず心不全の改善や予防に効果があることがわかり、心不全の治療薬としても使われるようになりました。
    • ARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)
      血管を拡張させ血圧を下げたり、利尿を促し、交感神経の緊張を抑えたりすることで心臓の負担を和らげます。心臓を保護する作用があります。
    • 利尿薬
      ​尿を出しやすくして、からだの中にたまった水分を尿として排泄します。

3.心臓再同期療法

心臓再同期療法とは、極端に心臓の動きが悪く、心室の壁の動きがシンクロしなくなった状態を右心室と左心室に入れた電極からの刺激でシンクロさせる治療です。両心室ペーシング療法とも言います。

4.補助人工心臓移植・心臓移植

上記に示した治療法を行っても、心不全がコントロールできない場合に適応になります。
補助人工心臓は、小さな機械のポンプを体の中に植え込み、それにより全身の循環を維持してあげる治療です。

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